12巻は小悪魔が願いを叶える条件と
桂子と恵の過去が中心になります。
その為、今までのような恵や源造の名場面というものは
ほとんど無く、桂子と恵が出会う過去の話から選びました。
10巻でその昔自分が男だと思っていた
やんちゃな女の子の話が出てきました。
その子は小さい頃から「自分は男」のように振る舞い
生きてきましたが、途中で女の子として
どうしても超えられない男女間の力の差などを知り、
落ち込みますが、そんな時源造を通して、
女の子として生きる楽しさを知りました。
この「自分は男」という部分は恵と共通する部分がありましたが、
桂子の場合はもちろん最初から女の子です。
しかも桂子は小さい頃から恵と同じ武道を嗜み、
大人の男性に対しても怯まず立ち向かっていく
勇気がありました。
それ故、恵と知り合う事になった
大人の男性とのいざこざの際に叩かれても
泣きもせず気丈に振る舞います。
私は、
絶対謝らない。
そんな様子を見た恵が
強いナ。
と話しかけ、助けに入ります。
当時の恵の心境からすると、
おそらく桂子と友達になりたかったんだと思います。
残念ながらその想いは、恵に助けてもらい、
恵が自分よりも強く美しいと認めてしまったことが許せず
恵と敵対してしまう事になってしまったので叶いませんでしたが、
もし2人が当時友達になれていれば、高校生になっても
良い関係であった事でしょう。
そんな桂子ですが、個人的には登場人物の中で
一番恵に近い存在かな思います。
恵と同じで美人で強く、自分が女だからといって
誰が相手でも怯まない勇気と強さを持っている。
惜しむらくは恵を自分よりも上の存在と認め、
憧れの対象にしてしまったことで、
恵以上にはなれなかったのかもしれません。
でも、恵が中学の時に桂子から受けた
数々の仕打ちを思い返して見ると、
好きな女の子に振り向いて欲しくて
ちょっかいを出す男の子、みたいな感じに見えませんか?
桂子にもう少し「自分の気持ちに正直になる素直さ」と
「他者に対する思いやり」があれば、、、
まぁ、だからこそ恵のキャラも生きて、
恵と高校に入って再会してから、
そんな桂子にも変化が出てくるのですが、
それはまた別のお話。