15巻はなでしこ杯も大詰めとなり、
いよいよ?小林の仮説で恵の秘密が明らかになりますが、
まずは名場面から。
![15巻の名場面&伏線](https://xn--q9j984gbug42c4wieqsm2o.jp/wp/wp-content/uploads/2018/10/meibamen15_01.jpg)
オマエが
来ると思ってたから、
少しも
怖くなかった。
この場面は名場面でもあり伏線でもあり、
恵の源造に対する信頼(恵は無意識)が
高まって来ている場面でもあります。
まずなぜ伏線なのか、という点につきましては、
その前の源造のセリフである
めぐは男だったら、
俺なんかより
きっと上等な
野郎だったよ。
悪人に一歩も
引かない・・・
ビクともしない。
カッコイーと
さえ、
思っちゃったヨ。
先に【ネタバレ】最終回で恵の魔法が解けた本当の理由を見た人なら
分かると思いますが、源造が初めて恵と出会い、
思った気持ちがここで説明されているのです。
そして、恵の源造に対する信頼ですが、
発端は6巻の名場面である、
小悪魔の呪いにより恵がエレベーターに閉じ込められた時に、
源造が助けに来た時です。
![天使な小生意気 6巻 名場面](https://xn--q9j984gbug42c4wieqsm2o.jp/wp/wp-content/uploads/2018/04/meibamen04.jpg)
この時をきっかけに、恵が困った時やピンチになった時、
必ず源造が時には身を呈し
(実際は身を呈しなくても良かった時もありますが…)
助けに来ているのです。
そうした経験を経て、ついに恵の中で
自分が困った時やピンチの時に、
源造が助けに来てくれる、という信頼が
この戦いの中で生まれたのです。
美木でもなく、小林でもなく源造というところがポイントです。
伏線
今までの伏線は、どちらかというと
セリフを最終回に向けて回収していく為のヒントが主でしたが、
今回はセリフではなく、「態度」です。
![天使な小生意気 15巻の伏線1](https://xn--q9j984gbug42c4wieqsm2o.jp/wp/wp-content/uploads/2018/10/fukusen15_01.jpg)
全体を通して、美木がここまで
我を忘れる程キレたのは初めてですが、
その原因を小林は「恵が女を捨てる行動をしたから」
と考えていたようですが、個人的には+αとして
美木にとって恵がそれほどまでに大切な存在であったから
ということに他ならないと思います。
こうして、自分以外の存在に対して
我を忘れる程、または自分の身を呈してまで
助けようとするシーンは西森作品に多数出て来ますが、
多くは「自分の大切な存在」に向けてです。
もちろん、自分も危険な目に合う可能性が高い訳なので
当たり前と言えば当たり前なのですが、
この15巻までに各キャラクターが
キレた理由を思い出してみましょう。
- 源造は主に恵が傷付けられた時
- 恵は大阪で源造がヤクザに拳銃を向けられた時
と、自分の大切な存在が危険な目に合いそうな時、
我を忘れて、いわば「バカ」になるのです。
そして今回、
美木は恵が(初めて)危険な目に合うと感じた時
に「バカ」になったのです。
実はこの後、小林も「バカ」になる瞬間があるのですが、
それはこの巻より先のお話なので、ここでは割愛しますが、
ヒントとして、美木はその時「なんで源造くん入ってんの!?」と
形容しています。
源造=バカというイメージなのでしょう。
そして、何で「バカ」という表現をここで何度も使っているかですが、
源造が自作している「男の中の男の書」で、
「男はバカでなければならない」という項目に対して、
恵も「バカになれなきゃダメだろ」と賛成しているのです。
つまり作者の中では、
「自分に取って大切な人を守る時、
バカになれなきゃ男じゃない」という考えがあるのでしょう。
当然、そのバカとは馬鹿の方ではないですよ。
あと、恵は元から女の子だった、
という仮説を立てた小林でしたが、
流石にここで全ての仮説を正しいと描くには
早過ぎたのか、1点だけ間違っていますが、
その他は当たっていると思います。
![天使な小生意気 15巻の伏線2](https://xn--q9j984gbug42c4wieqsm2o.jp/wp/wp-content/uploads/2018/10/fukusen15_02.jpg)