不意をつかれためぐ団達は
敵のアジトに連れて来られ、
仲間達の信頼を次々と試されていく中、
18巻の名場面はいくつかありましたが、
セリフの選定も含めこの2つに決めました。
ここは2つセットで無いと伝わりにくいと思い、
セットで選びました。
一番根性の無さそうと見なされた藤木が
最初に仲間の信頼を試される番となります。
めぐ団(美木以外)が目を覚ますと
藤木の腕に手錠で時限爆弾のようなものが付けられていて、
逃げ場は無い状況で、藤木は(本当は怖くてたまらないけど)
みんなから距離を取ろうと離れます。
と、ここまでは誰でも思いつく展開で、
後は何かしらラッキーが起きるか
華々しく散り、実は後で生きてました的な展開になると思いきや、
まず源造が漢を見せます。
自分の命より大切な恵を爆弾から遠ざけ、
小林に静止させつつ、爆弾を取れる保証が無いにも関わらず
当然のように藤木を助けに来ます。
ボケが。
ハハハ!
果たして、自分が源造の立場ならなんの躊躇も無く
残り10秒を切った爆弾に近づいて行けるか?
と思った藤木がコイツには敵わないなと思ったのと、
単純に嬉しかったので笑ったのでしょう。
そして、最後は源造を巻き込まないよう
あえて殴る。
それまでこの戦いに参加していても
傍観者の気分で居た藤木が漢を見せ始めることになる
瞬間になります。
続いては恵。
俺…
知ってるんだヨ。
アイツは
俺に惚れて
るんだ。
自分が美木を殴ればそれ以外のめぐ団は助かる、
という提案を受けた恵はめぐ団の顔色を見て、
拒否します。
恵が拒否したことで、
手足を縛られて自由に動けないめぐ団は
次々とボコられていきます。
当然、藤木や安田など戦闘要員でない
めぐ団もボコられるのですが、
そこは源造があえて歯向かって行くことで
攻撃を自分に集中させます。
そんなゲームを経て
源造と恵の仲が修復不可能な関係になったと
嗾ける柳沢に対して放った恵のセリフです。
恵と源造の関係を表しつつ、
こんなセリフが思い付くあたりが西森作品の特徴ですね。
源造は自分(恵)の事を何があっても信頼してくれている、
自分が決断した行動を何があっても支持してくれる、
恵が美木を殴るなんて決断をさせたく無い、
という感情を「惚れているから」という理由で片付けたのは、
きっと恵も逆の立場ならそうするからなのでしょう。
漢は自分が惚れた相手ならバカになれる。
これを源造が愚直に躊躇も見せず体現し続けていたからこそ、
恵も安心して拒否出来たのでしょう。
さながら「今日から俺は!」で
三橋と伊藤が喧嘩するよう嵌められた時に、
示し合わさなくても最後は両方とも勝ちを譲ろうとした、
相手の信念を尊重し合う、そんなシーンとも言えます。
あと2巻、楽しみにしてます!
ついにコンプリートしました!